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『ALLIANCE』リード・ホフマン
本の題名である『ALLIANCE』は「同盟」「提携」と訳されますが、本書の内容は企業と社員の関係性について書かれた本です。
著者のリードホフマンはPayPalの創業に関わった後に、Linkedinを創業した有名人です。
彼の経験に基づいて、これからの企業と社員の関係のあり方は、期間を決めて提携関係を結ぶべきだと主張します。
変化の早い今の時代に終身雇用という制度はマッチしておらず、もっと短いスパンで企業と社員の関係を常にアップグレードしていくべきという考えです。
実は私の会社でも似たような制度を実践していました。
私に先見の明があるという訳ではなく、会社の状況を考慮するとそうせざる得なかったのが理由です。
私が会社に加わってほしい人物を見つけて、入社してほしいと伝える時のいい方は以下の感じです。
・「就職したい先が見つかるまでうちをバイト的に手伝って、営業のスキルだけは間違いなく身に付くから」
・「今働いてないならちょっとアルバイト的に手伝って。自分がライターの仕事ができるかどうかわかるよ。」
・「起業を考えているならその準備期間はうちを手伝って。君の考えてるビジネスモデルに似てるからいい環境だよ。」
という言い方です。
どれも、あくまでも期間限定で手伝って、という内容です。
こんな言い方にした理由は、私の会社はまだまだ不安定な会社すぎて、とても長く働いてくれといえる立場ではないからです。
明日にもどうなるか分からないような会社の社長に、「うちに就職してくれ!」と言って働いてくれる優秀な人はほぼいないでしょう。「は?何を言ってるんだこいつは?」となること間違いなしです。
しかしバイト的に手伝ってもらいながら、取り組んでるプロジェクトの楽しさや、自身の成長を実感できれば、その後も正社員としてしばらく会社に在籍し、スキルや経験を磨いていくという選択肢をとってくれるかもしれません。
実際私の会社では暗黙的にそのような制度になっており、実際に「この事業の立ち上げが終わったら辞めますんで!」と言うスタッフもいますし、会社に長く在籍することを視野にいれながら働いているスタッフもいたりと様々です。
ただ先のことは誰もわかりません。長く在籍を考えていたスタッフに他のやりたいことが見つかるかもしれませんし、短期で辞めようと思っていたスタッフが、新たな事業に夢中になって在籍し続けるかもしれません。
先を見通すことが難しい時代には、変化に合わせて柔軟に対応できる事業体制を整えておくことが重要なので、社員との関係も柔軟であるべきなんだなと実感できる一冊でした。